総価契約単価合意方式とは?契約方式の特徴やメリットを徹底解説

総価契約単価合意方式とは、工事請負契約において、受発注間であらかじめ単価を決めておき、それに基づいて工事を行う契約方式です。これにより、工事の変更や部分払いなどの際に、金額計算がスムーズに行えるようになります。
今回は、契約方式の特徴や違いについて、二人の会話形式でわかりやすく解説していきます。
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こんにちは!
今日は「総価契約単価合意方式」について聞きたいんですが、そもそも何のことか教えてもらえますか? -
いいですよ。この方式は、公共工事の契約における1つの方法で、工事の契約をするときに「単価」をあらかじめ発注者と受注者で合意しておくやり方なんだ。
国土交通省や、農林水産省の発注工事で採用されている。 -
なるほど。
でも、契約の単価は入札で決まるんじゃないんですか? -
良いところに気づいたね。
入札は全体の価格で決定するため、それを「総価」と表現して、「総価契約単価合意方式」と呼ばれるんだ。 -
なるほど。契約は「総価」でして、個々の「単価」はお互いの合意で決めるってことですね。
ところで、単価で合意するとなると結構な手間がかかりそうですが、この方式にはどのようなメリットがあるんですか? -
メリットはいくつかある。
まず1つ目は「適正な契約金額が確保される」ことだね。
この方式では、契約の金額が不当に高くなったり安くなったりしにくい仕組みなんだ。 -
それって、具体的にはどういうことですか?
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建設会社は入札金額を決めるときに、例えば「構造物工事は予算が厳しいけど、土工事で利益は見込めそうだから90%で入札しよう」といったように、全体で入札価格を決めるよね。
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そうですね。
最初に教えてもらった「総価」ですね。 -
その通り。じゃあ、工事の途中で発注者から構造物工事を追加発注したいと言われた場合、予定金額に落札率をかけた90%だったらどうなると思う?
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えっ、構造物工事は利益が出にくいから90%だとわりに合わないですよね。
追加発注で売上は上がるけど、やり繰りが大変になるかも……。 -
そうなんだ。受注者としては断りたい。
一方で発注者としては、別の工事で発注するとなると手間も経費も余分にかかるので、多少単価が高くなってもできれば一緒にやってほしいんだ。とはいえ、合計金額は契約で決まっているから変えられない。 -
なるほど。だから事前に単価ごとで合意をしておくことで納得して工事を進められる、ということですね。
発注者・受注者の双方にとってメリットがある仕組みですね。他には何があるんですか? -
そうだね。
2つ目は「協議がスムーズになる」というメリットもある。 -
協議がスムーズになるのは、どういう場面ですか?
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工事中に設計が変更されたり、途中で支払いをすることになったりする場面があるとする。単価が事前に合意されていれば、それに基づいて調整できるよね。
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たしかに変更や追加、支払いが発生するたびに金額を交渉するより楽そうですね。
では、この方式で工事を受注するときに気をつけることってありますか? -
それは、「どの方式を選ぶか」ということだろうね。
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方式って、ほかにも種類があるんですか?
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「総価契約単価合意方式」には「単価個別合意方式」と「包括的単価個別合意方式」の2つの方式があるんだ。
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それぞれどう違うんですか?
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「単価個別合意方式」は、1つ1つの単価を細かく協議する方式だ。
もう一方の「包括的単価個別合意方式」は、あらかじめ広い範囲で単価を包括的に決める方法だね。 -
どちらかを受注者が自由に選べるんですか?
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そうなんだ。受注者がいずれかを選択できるんだ。
ただし、「単価個別合意方式」を選択した場合、協議開始から14日以内に合意が成立しない場合は、「包括的単価個別合意方式」が適用されることがあるんだ。 -
なるほど。「単価個別合意方式」には期限があるんですね。
あと、「細かく?」「広い範囲?」っていうのは、どの単位で単価を決めるんですか? -
良い質問だね。
合意するレベルは、新規工種や追加工種、積算体系の階層によっても異なるんだ。ここから先は詳しく説明すると長くなるので、今日はここまでにしておこう。 -
まだまだ聞きたいことはありますが、今日はすごく勉強になりました!
ありがとうございました。
まとめ
いかがでしたか?
「総価契約単価合意方式」の考え方と計算は複雑ですが、正しく理解して、正確に積算することで利益を確保することにもつながります。
また、積算ソフトを活用することで複雑な計算の手間も減らすことができます。
ご興味がある方は気軽に下記よりお問い合わせください。
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